2006年08月31日

本>文芸 「砂の女」 作:安部公房

今年の新潮文庫の100冊で並んでいて、つい手を出してみた一冊。
安部公房作,「砂の女」,新潮文庫です。

砂丘に昆虫採集に来た男が、一泊のつもりで泊まった、くたびれたある家。 ところがその家はなぜか放って置くと砂が溜まって埋もれてしまうため毎日かき出さなくてはならないという。 男は一泊だけのつもりが、そこに閉じ込められてしまい、そこに住む女と暮らす羽目になる。

理不尽な仕打ちに怒り、あらゆる手段を用いて脱出を試みるものの、家を監視する村の男たちの前にその試みも失敗するばかり・・・。

この作品、結局のところ、我々が普段後生大事にしている、社会の中での位置とか、常識とか、そういった既成概念というものは、所詮は虚しいもの、という辺りを描いているのかなぁ?と思いました。

まあ、それは別にいいのですが、残念だったのは、男が趣味としてやっていた昆虫採集への情熱も男が最後には無くしてしまっているように思えること。
男は、社会とは隔絶した環境に置かれてしまったわけですが、そんな中でも、何か一つ、名利や栄達とは関係なく、純粋に自分の好きなことを続けるという姿が描かれていたら、もう少し違った感想をこの作品に持てたのではないかなぁと思います。

この作品、あまりに何もかもは虚しいというような感じに、結論が持っていかれているようで、その点は、あまり共感できない物でした。 周りからどう思われるかとかは別として、自分の好きな事、興味の持てることをただ続けていくということは、決して無意味ではないように私には思えるのですが・・・。
(まあ、私がこういう純文学な作品には向いてないだけかもしれませんけれども・・)



ラベル:安部公房 小説
posted by 大阪下町オヤジ at 21:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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