2007年03月30日

本>SF 「ロボットと帝国」 作:アイザック・アシモフ

「ロボットと帝国」,上下巻,作:アイザック・アシモフ,ハヤカワ文庫SFです。
「鋼鉄都市」,「はだかの太陽」,そして「夜明けのロボット」と続いてきた、アシモフのロボット物のSF作品。

前3作で主役であった、イライジャ・ベイリが世を去って160年が経過し、人類社会の流れは、彼が望んだ流れになっているかに見えた、すなわち地球に閉じこもっていた地球人たちが宇宙に移住をし、多くの惑星への殖民が始まっており、その勢いは、かつて宇宙を独占していた宇宙人社会と肩を並べんばかりとなり始めた時代。
しかし、その流れを変えんとする陰謀が前作「夜明けのロボット」で彼に敗れたアマデュロ博士の手で進められようとしていた。


この作品は、前3作とは、趣が違う構成、筋立てになっています。 まずイライジャ・ベイリの死後の話なので、この作品で事態の解決を図るのは、ロボット,R・ダニール・オリヴォーとR.・ジスカルドの二人です。 二人は、ベイリのような直観力を持つことはありませんが、そのあくまで論理、と推理の構築で謎の解明に当たろうとします、その2人のアシモフのロボットらしい、理路整然とした会話のシーンが多くあるのですが、それは非常に読み応えがあって、この作品の大きな魅力なのではないかと思っています。

また、回想シーンの形ではありますが、何度かのシーンでイライジャ・ベイリは作中登場してきます。そして彼の残した言葉が、登場人物たちの心に今も大きく刻み付けられていてその存在の大きさがわかります。 特にダニールに最後に残した彼の言葉は印象的です。

前作「夜明けのロボット」と同様、この作品も、ファウンデーション物とロボット物、2つの未来氏の流れを結びつける作品になっています。 「夜明けのロボット」では、そのラストに、未来への明るい見通し、希望という形が示されるにとどまっていましたが、この作品では、広がり始めた地球人社会と宇宙人社会をどう、争いを避けながら人類全体がそのように進むべきなのか?繁栄期の混乱の中どう収集がつけられるかが読みどころで、前作より深く踏み込んだ形で、ファウンデーション物との関連を描いている作品といえるでしょう。

この作品のそもそもの発端となった惑星ソラリアの事件、そしてダニールが全てを(ある意味銀河系全てを)背負わざるをなるところも、この作品以降の、ファウンデーション物の続編作への長い布石になっていて、後々の作品たちで、この布石が生きてきます。

そういう意味で、アシモフファンならばぜひ一読をお薦めしたい作品。
ダニールと、ジスカルドの会話でのやり取りを読むだけでも結構感じるところはあると思う作品です。



posted by 大阪下町オヤジ at 01:09| Comment(0) | TrackBack(1) | アートなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2009-09-17 11:14

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