2009年10月05日

アート> 「ウィリアム・ケントリッジ−歩きながら歴史を考える」 京都国立近代美術館

京都の岡崎公園にある、京都国立近代美術館で開催中の展覧会 「ウィリアム・ケントリッジ−歩きながら歴史を考える」を見てきました。 9/4〜10/18の開催です。

この ウィリアム・ケントリッジさんという作家さんは初めて聞いたし、作品を見たのも初めてだったのですが、ものすごく良かったです。 本当に行って良かった!
今年、色々いい作品、展覧会を見ましたが、その中でもトップクラスに良かった作品,展覧会でした。


この方の作品は、主に映像作品で、ドローイングや実写の映像、影絵のような絵が少しづつ変化しつつ動いていくアニメーションと言える様な作品です。
ドローイングは、木炭や絵の具など色々使われているのですが、個人的にとても好みだったのが、手描きのタッチそのままで使われていて、木炭で言えばその粉、木炭紙の手触りまで感じられるような画面、映像であったこと。 こういった手の仕事や、ある種触覚のような感覚が伝わるようなものというのは、個人的に非常に好きなので、まずそこに惹かれました。


作品の内容としては、最初実写として現われたはしごが、画面が進むうちに木炭のドローイング表現とすりかわって崩れてしまうとか、どこまでが虚で、どこまでが実か?または何が虚で何が実か?といったところが一つ描かれているように私には感じられました。
個人としての虚実もそうですが、現在の社会の価値観や制度、組織などについても同じく問いかけているように思えました。


もう一つは、この方が、南アフリカの作家さんであることもあるのかもしれませんが、抑圧や制約の多い社会での問題、戦争も含めた争いに対して多いに考えさせられる作品が多かったように思います。

私が最も引かれたのは、”ユビュ、真実を暴露する”と”影の行進”の2作品。 同じ投影場所で、連続で流されていたので、2つで一つといった作品かもしれません。
見えているもの、聞こえているものだけが真実なのか?それは、見せられているだけ、聞かされているだけではないのか? そして、暴力や抑圧に対する強烈なメッセージが込められているように思えました。 また映像だけでなく、音楽、音も非常に合っていてすばらしく、最後の歌のフレーズがしばらく頭の中でリピートしていました。


映像作品が主で、作品数が多いのですが、連作といえるものは、大きな会場で同時に投影していたので 複数の作品を平行してみることが出来るので、時間の無いという方でも作品全体のイメージを感じ取ることは出来ると思います。

メッセージ性が高く、何かを感じ、考えさせてくれる、とてもいい作品でした。
映像や絵のきれいさ、アニメーション的な動きという点ではむしろたどたどしいとさえいえる表現なのですが、それであってこそ伝わってくるという作品であったと思えました。
非常にお薦めです、ご興味のある方は是非行って見てください。



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2009年10月04日

アート> 「今井祝雄 − 白のうちそと 展」 楓ギャラリー

地下鉄谷町6丁目駅から歩いて少しの所にある楓ギャラリーで開催中の「今井祝雄 − 白のうちそと 展」を見てきました。 9/29〜10/11の開催です。

今回は、前にLADSギャラリーで見た、「記憶の陰影」シリーズの作品がギャラリーの展示室に展示+このギャラリーの外の庭部分に、インスタレーション作品が展示という構成でした。

記憶の陰影シリーズは、日常のありふれたものを木枠の中に置いて、上から薄い布(薄い綿布だそうです)をかぶせて、木枠に張ると、中に入れた物の形に盛り上がるといった造形になります。 入れた物の形状によって、一部だけ盛り上がったり、輪郭だけ盛り上がったり、ポイントだけ突き出していたりと、その入れた物の形状によって、色々な盛り上がりをします。 色的には、つや消しの白一色で、落ち着いた、しっとりした感触の質感です。

基本のやり方は前に見た時と同じですが、今回も色々な物が入っていて、中のものが推測がつく物もあり、つかないものもあり、推測がついたからこそ、”あぁ、こんな風になるのか”と感じてその面白さがあった作品があれば、なんだか推測もつかないけれど、構成として、模様としていい感じだと感じて、楽しめた作品あり、、という感じで、どの作品もそれぞれの楽しみ方をさせてもらえたという感じで、非常に良かったです。
(見る人個々人で、鑑賞の仕方、感じ方、どの作品が好みか?とかはバラバラであると思いましたが、そこは自由に楽しめばいい作品のような気がしました。)


庭のインスタレーションは、庭の中のあらゆる要素に白色の石がおいてあるという空間で、自然石がおいてあるわけなのですが、余りにあらゆるところにあるので、少し異様な空間が構成されているという感じでした。 やや不気味に感じるところもあるくらい。
でも独特の空間という印象で、これも非常に良かったです


シンプルで要素少なくという個人的に好みの作品なので、今回もやっぱり良かったです。
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2009年09月21日

アート> 「松田彰、−言葉のように−」 画廊ぶらんしゅ

阪急石橋駅から徒歩しばらくの所にある、画廊ぶらんしゅで開催(9/2〜9/13)の「松田彰、 −言葉のように−」を見てきました。

この方の作品は、つやのある表面の木の板の上に四角に切ったり、不定形に切ったりした紙を貼り付けて、その紙を鉛筆で黒く塗りつぶして、塗り残しの形でシャープな白い線が残っていたり、飛沫のように白い点が残っていたりという感じの画面。

このぶらんしゅは非常に大きいスペースの展示室で、空間を構成するのは非常に大変なところだと思うのですが、非常にいい空間になっていました。
特に今回良かったのは、真正面の縦長の大きい作品。 黒地の中に浮かぶ白のドロップ様の模様とか、画面上のポイントポイントにある白が、非常にはっとするほどの白さで目に飛び込んできました。
(近づいてみると決して明度,彩度としてきついものではないでですが、ここはやはり周りとの関係ですね)


私はこの方の作品では、ほとんど黒一色に見える作品が好きなことが多かったのですが、今回の展示作品の横長の作品で、木の地が結構出ていた作品もすごくいいなぁと思いました。 こういうのもやはり周りとの関係があってのことなのでしょうか。 黒部分と木の部分のバランスがすごく良かった。

今回初めて拝見したのが、具象表現とこの方の黒地に切り込みとかの抽象表現の組み合わせで1枚の画面になっているという一連の作品。 これもなかなか面白かったです。
特に印象にあるのが、モナリザとの組み合わせで、上半身部分は抽象になっていて、お腹くらいからはモノクロのモナリザになっているとう作品なのですが、モナリザの上半身が抽象部分では単純に一本の縦の斜め線であったり、別の作品では肩辺りの斜め一本の切り込みであったりしていました。

これは、単純化する方向でのデフォルメといえるようなもので、上半身の多様な要素を取り除いてあえて描くならこの一本という風に凝縮させたのかな?とか感じたので、お聞きしてみると、鼻筋の傾きをそのまま一本の線にされてみたとの事で、じゃあ横斜めは、肩の傾きかな?と思いました。
こういう、単純化する方向へのデフォルメというのは個人的に非常に共感できるもので、とても面白かったし、こういう作品を見ることが出来たのはとてもいい経験になりました。
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アート> 「百花繚乱2009」 兵庫県立美術館

兵庫県立美術館のギャラリー棟で開催(9/4〜9/13)の「百花繚乱2009 」を見てきました。 

この展覧会は、グループ展ですがすごく規模が大きくて、総勢130名と言う作家さんが参加されています。 参加人数もすごいですし、協賛も色んな画材会社やよく名前を聞くギャラリーが参画されていて、結構大々的に企画、実施されている展覧会なのかも知れません。

私が過去見たこと、お名前を聞いたことがあるという作家さんが、数えてみると15、6人はおられて、最新の作品とかまた見れるかな?と楽しみにして行ってきました。


印象に残った作品を順に書いてみますと、
浅利美織さん:今回は小さめのほぼ立方体の透明ビニールのバルーン。 個人的な好みとしては、ちょうど地面から立ち上がっている面の部分が、昔あったシルバーの四角が入っているとより面白かったかなぁ?とか思いました。
阿部順子さん:今回も前回の個展でやられていた、真ん中に縦の青の模様が一直線にある画面。 青の模様は今回は縦直線でしたね。
大城国夫さん:今回は小さめの青(コバルトとかセルリアンといった感じの青)の丸模様がたくさんあって全体として浮遊感を感じた画面。 私が青が好きなせいでもあるのですがとてもよかった。 またこの作品の展示が外光のはいるところに展示されていたせいかもしれないのですが、非常に横への流れ、筆の痕跡が非常に感じられました。
廣瀬紀明さん:今回は、ピンク地に茶色の繊維模様という感じで、色も流れも正直ちょっと重苦しい感じ、私はこの方の作品ではもっとすらりと、抵抗感無く流れが感じられる作品が好きです。
遊上陽子さん:黒地の画面を小さい四角に仕切って、そこを鉛筆の黒で、斜め線で塗りつぶしていっているという画面、単純な構成ですが、その繰り返しが非常にいい。 また絵の具の黒と鉛筆の黒の色味の違い、光の反射の違いが感じられるのがやはりとても面白い。 久しぶりに大きな作品を見た気がします。


冷水隆治さん:過去見たことが無かった方の中では一番良かったと思った作品。 抽象平面で、白からパステルグリーン、パステルブルーくらいまでの色使いで、四角、引っかき、などで構成された比較的静かな画面。 しかし、非常にいい画面。 抽象で、何か言葉になることを感じられる画面ではないのですが、何かを感じる画面。 抒情的(という表現で適切なのかな?)、詩情的といったほうがいいのかも?? とにかく何か定義された言葉で表現すると必ず舌足らずになってしまうと思いますが、いい画面でした。

しかし、この兵庫県立の建物は見て回りにくい建物ですね〜〜 今回も思いましたが、何でわざわざあんな狭苦しい圧迫感のある階段にしたのか??? もうちょっとなんとかならなかったのでしょうかね〜???
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アート> 「森本和美 作品展」 ギャラリーDen

またしばらく更新が滞ってしまいました。 ネタが無いわけではなかったのですが。。。。
とりあえずは、、この1〜2週間で見させてもらった、展覧会のネタを3つほど連続で書かせていただきます。 全て会期終了済みの情報ですがご容赦ください。

まず、地下鉄肥後橋駅から歩いてしばらくのギャラリーDenで開催(9/7〜9/19)の「森本和美 作品展」

この方の作品は何度か見させていただいていますが、基本的な作風は変わらずと言った感じ、ただ微妙な雰囲気や、地の部分の処理などで変化を見られて、色々と工夫を続けておられるなぁと思いました。

この方の作品は抽象平面、白地に今回は、青系の色の布の押し付けで模様がついているという画面。 私は個人的には、入り口入ったところから見て右手の壁面の2枚の作品の模様がいいバランス、流れであったように感じられました。


また今回は、地の白の処理にこれまでには無かった工夫があるように思いました、この方は、白地のキャンパスの上に、もう一枚ガーゼ上の薄い布を重ねられて、その上に布の押し付けで表現をされているのですが、そのガーゼの部分をよく見ると、ガーゼを止めるためか意図しての模様としてそうされたのかは判りませんが、白の絵の具が部分的に木の木目みたいな感じで土台の白のキャンパスとその上のガーゼの間に乗っていて、それが木目の模様のように時に横への流れを感じたり、全体として縦の流れを感じたりして、それが画面を引き立てる非常にいい1要素になっていると思いました。

全体としても空間に上手く作品を配置したいい空間を作っておられたと思います。
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2009年08月24日

アート> 「アート大阪2009」 堂島ホテル

梅田と地下鉄肥後橋の間(肥後橋より)にある、堂島ホテルで今日まで開催(といっても3日間のみ)のアート大阪2009に行ってきました。
大阪だけでなく、京阪神、東京、名古屋、その他アジアのギャラリーも含め、合計47のギャラリーが作品を紹介しようというもの。 会場は、同ホテルの11階〜8階のホテルの各部屋が会場で、1画廊一部屋で作品を展示してありました。


会期は、8/21,22,23の3日間なのですが、8/21は招待者と美術関係者のみの入場で、一般の入場が出来るのは8/22,23の2日間のみということでした。 私は、今日開催されたターナー社のアクリル絵の具に関するレクチャーを聞いてみたかったので、今日行って来ました。

ホテルの部屋という独特の空間に、各ギャラリーが紹介したい複数の作家さんの作品を展示していたり、一人の作家さんの個展形式を取ったりという感じで、色々趣向を凝らした展示になっていました。

いっぱい作品を見たので、ちょっと記憶が曖昧になってしまっているのですが、面白いと思えた作品を書き出してみますと、、
乙画廊さんの、田中幹さんという方の、薄い透明の樹脂を塗ってそこに数字のゼロをたくさん描いて散らしているというのを何層も何層も重ねて深み、奥行きを出している平面作品。
深緑の色が静かに深くて、非常にいい画面でした。

Ruud Van Empelさんというどこの方かはっきりわからないのですが、写真の作品。
黒人の子供が植物いっぱいの背景の前にいるという複数の写真の合成で作った作品という感じなのですが、背景の植物は、おそらく前景の人物と比較すると、実際には小さなものを拡大して使っているような感じで、加えて人物自体も、プロポーションのバランスが妙にアンバランスになっていて、肌のつやも作ったような光らせ方になっていて、見ていて非常に違和感を覚えて、でもとても気になった作品。 これは東京の画廊の展示作品でした。


他にもいいなぁと感じた作品(主にシンプルな抽象作品でしたが・・)がありましたが、詳細は忘れてしまいました。。。。
全体の感想を書いて見ますと、やはり、何かしら具象のテイストを持っている作品が多くを占めているように思いました。 抽象というのはやはり少数派であったように思います。


しかし、実際会場を回ってみますと、何とも人が多くて、見て回るの正直大変でした。
ホテルの部屋って、基本的に一人ないしは数人の人間が出入りする空間なので、これだけたくさんの人間が出たり入ったり、通路ですれ違ったりというのには向いてないですね。
そこも含めると、やはり8/21の招待者、関係者への紹介がこのイベントのメインであるのでしょうね。 今日のようにひっきりなしに人が来るのでは、画廊の方もゆっくり商談というわけにも行かないでしょうから。。。


もう一つ、今日聞いたターナー社のアクリル絵の具に関するレクチャーについても少し書いて見たいと思います。 タイトルは、「現代絵画材料の発展と歴史〜モーリス・ルイスからパラモデルまで」というもので、油絵の具以降、主にアクリル系絵の具の開発の歴史、どういった成分が使われてきたかの変遷、どう使われてきて、今の現状は?という辺りをざっと概説してくれるというものでした。
私は、こういった知識が余り無いので、知らないことが多く、なかなか勉強になりました。
アクリル絵の具って、最初は水溶性じゃなかったんですね。。 今あるのがほぼ全部水溶性なので、てっきり最初からそうなのだと思い込んでいました。
また、製品としての絵の具をどう作るかについては、たとえばその透明度に関して言うと、顔料自体の持つ透明度があり、その特性を生かして絵の具を作ろうとすると、どうしても基とする顔料にその絵の具としての透明度が影響する。 しかし、そうでなく不透明にあえてする製品シリーズもあり、その辺りをどう製品としてつくり、ユーザーに提供するかは、それぞれの作り手の考えで変わってくるとの事。(透明度だけに限らず、つやの度合いをどうするかとか色々・・・) そういった辺りを聞いたりできたのも面白かったです。
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2009年08月17日

アート> 「夏の企画展「顔」」 ボーダーレス・アートミュージアムNO-MA

JR近江八幡駅からバスで大杉町バス停まで、そこから徒歩5分の所にある、ボーダーレス・アートミュージアムNO-MAで開催中の「夏の企画展「顔」」を見てきました。 6/14〜8/16の開催です。

「顔」を表現し続けている7人の作家さんの作品が展示されている展覧会。
お名前を書いてみますと、澤田智子,芝田貴子,吉川秀昭,藤野友衣,鈴木藍,平野信治,大久保寿さんという7人。


面白いと思った作品は、 吉川秀昭さんの陶の立体作品、ずっしりしたフォルムと小さい穴をたくさん、丁寧に空けてある模様で、何とも茫洋としたどっしりした感じを受けて私は好きでした。

芝田貴子さん,大久保寿さんの人物画は、その独特の人物描写が不思議に迫力というか、こちらに迫ってくるものがあるような気がしました。

デフォルメが独特で面白かったのは平野信治さんの作品。 画面構成という点でも面白いと思えました。

今回は「顔」がテーマなので、基本的に、何を描いてあるかは、まあぱっと見て判る作品がほとんどでした。 それでもどう描くか?は個々の作家さんでやはり独特の表現であったので、なかなか楽しめました。 アウトサイダー・アートは私の好きなジャンルなので、やはし足を運んでよかったです。

しかし、今の時期は、非常に暑いのと、もう一つお盆休みの時期なので、電車がかなり混んでいて、かなり行き帰りで疲れてしまいました。 早く涼しくなってほしいです。 この近江八幡は町並みがいい雰囲気のところなので、秋にでも行って、時間をゆっくりとって、のんびり散策でもしてみたいですね。 今回は、とてもぶらぶら歩くという元気はありませんでした。。。。。。。。
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2009年08月16日

アート> 「堂島リバービエンナーレ2009」 堂島リバーフォーラム

JR新福島駅近くにある、堂島リバーフォーラムで開催中の「堂島リバービエンナーレ2009」を見てきました、8/8〜9/6の開催です。
現在、福島駅近辺に移転してきたABC放送の新社屋周辺を「ほたるまち」という名前とし、色々な商業施設をここに集めているようです。 その建物の一つが会場の堂島リバーフォーラムです。 始めてここに足を運びました。


タイトルが「リフレクション:アートに見る世界の今」となっています。
主に、今の社会的問題をなんらか意識した作品が展示されていました。 映像作品が多く、主張したいことは割とわかりやすい作品が多かったように思います。


印象に残っているのが、クリスティナ・ルーカスさんの”私の闘い”。 映像作品で、宗教の伝道師が話す説教の内容の”神””宗教”に相当する部分を”芸術”と言い換えて、道路で道行く人々に訴えかけているという姿を映像で捉えたもの。 宗教でもアートでも何でもいいのですが、自分が後生大事にしている概念や考えであっても、他人からしてみれば、又は常識の異なる人々からしてみれば、それにこだわる姿は滑稽にしか見えないだろうと感じさせ、我々の規制概念に疑問符を投げかけてくれる作品かと思いました。

もう一つは、フリオ・セサール・モラレスさんの”非公式の介入”。 アメリカに密入国しようとした人々が、洗濯機の中に隠れたり、車のシートの中に隠れたりと知恵を絞った様々な隠蔽の手法をイラスト的に示した作品。 知恵を絞る方向が本来望ましい方向とは違う形で使われている現実を示していて、ある種の可笑し味もそこに感じますが、基本的には物悲しさが漂います。


私は、どうも笑うことが出来なかったのですが、周りの人たちが結構笑っていたのが、会田誠さんの”日本に潜伏中のビンラディンと名乗る男からのビデオ”でビンラディン風の格好をした男が、こたつで酒を飲みながら、ややたどたどしい日本語で、”もう引退しますわ〜”としゃべっているという内容。 まあ、ムスリムのはずのビンラディンが酒飲みながら話してるというあたりや、テロ組織の声明とかでよくある、しゃべりや論調とは対極にあるような、のほほんとした喋りなどが、笑いを誘うといった所なのだろうという気がしましたが、どうもツボにはまらなかったのか?私はちっとも、笑えなくて、しらけた気分で画面の前を離れてしまいました。

他にもいろいろ作品が展示してありました、ただ中には、ほとんどノンフィクションのドキュメンタリーと同じみたいだと感じる作品もいくつかあって、この辺りは、表現として難しいところのような気がしました。 余りにはっきりと言葉で意図を伝えようとすると、ルポタージュとどこが違うのか?といわれてしまいそうだし、余りに何もないと、主張したいことが見る側に伝わらないだろうし、また見る人それぞれでそういった点の線引きは異なるだろうし、、、 どこまでやるか?どこで止めるのか?という問題は、どんな表現をとろうと付きまとう問題なのかもしれません。 そんなことも思った展覧会でした。
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2009年08月15日

アート> 「shadow 藤本由紀夫 美術の中のかたち−手で見る造形−」 兵庫県立美術館

兵庫県立美術館で開催中の「shadow 藤本由紀夫 美術の中のかたち−手で見る造形−」を見てきました。 7/25〜11/29の開催です。

この美術館の常設展示のスペースで開催されている展覧会。 オルゴール等を用いた音のインスタレーションなどの藤本さんの作品と、この美術館所蔵の彫刻や平面作品が同時に展示されているという構成。

この展覧会の面白かったのは、展示されているブロンズの彫刻に触っても良いという所。
会場に行くまで、そのことを知らなかったのですが、その触っていいという彫刻作品が、この美術館の収集の所蔵品で、ロダンとかブールデルとか、過去、王子公園の時代に1Fに展示してあって、結構好きだった作品とかがあって、”それを触れるのか!”と思うとうれしくて、早速申し込んで、実際に触ってきました。


藤本さんのオルゴールのインスタレーション作品のオルゴールを思いつくままにきりきりと巻いて、その音をBGMとして、早速べたべたと彫刻を撫で触ってきました。
ロダンの”麻痺する大きな手”のそり具合とか、”オルフェウス”の全体流れとか、もう一つの手の作品とかも、流れがきれいで面白かったです。
改めて思うのですが、ロダン作品って決して写実な具象作品ではない感じですね、流れや体の部分のデフォルメなどは、相当にされていますよね。。(まあ私はそう感じるというところで・・・)


藤本さんの作品では、自分で巻くことが出来たオルゴールのインスタレーション作品、いすに座って音を聞くという作品、時計がいっぱい並んでいて、その複数の時計のカチカチという動作音がランダムに聞こえてくる作品など、いずれも面白かったです。
一つ一つの構成要素は単純で、その発生する音の連なり、重なりで面白い表現になっていると、この方の作品は、何度も見させてもらっていますが、今回も面白かったです。(これも要素としては少ないといえるので、そういうところですきなのかもしれません)


企画としては面白いし、実際、私は彫刻を触ることを非常に楽しんできました。 なので、結構お勧めの展覧会であると思います。 まだしばらくやっているようですので、ご興味のある方はぜひぜひ。。。。。
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2009年08月05日

アート> 「キタイギタイ ヒビのコヅエ展」 伊丹市立美術館

伊丹市立美術館で開催中の「キタイギタイ ヒビのコヅエ展」を見てきました。
7/25〜9/23の開催です。


この方は、「コスチュームアーティスト」ということなのだそうです。 紹介文などを読んでみると、多くのTV番組や舞台の衣装を手がけておられると同時に個展などもやっておられるとのこと。

展示作品は、全て、着たり、身につけたり出来るもので、その範疇でさまざまな素材、デザインで面白い造形をしてみようといった作品でした。 服としての機能性、実用性といったものではないので、やはり服飾というより、コスチュームでのアートというほうがしっくり来る作品。

個人的には、ファーのようなふわふわした感触のものよりも、素材としては、むしろプラスチックのテープを使って作ったような硬質な感じのする素材を使った表現のほうが面白く思えました。 全体の感想としては、実に色々な素材を使われていて、そういうものを見ることが出来たという点では、なかなか面白かったと思います。

ただ、展示としては、余りにこの方のいろんな作品を並べてあったので、ちょっと目移りするような気分になりました。 もう少し、1つの展示室では1つの傾向の作品を並べた方がより見る側の印象に残るのではないかなぁと思いました。


あまり、こういった傾向の作品を見に行くことが無いので、なかなかいい経験でした。 この伊丹市立美術館は、いつもいい企画展をしてくれるので、結構楽しみにしているのですが、今回も、余り知らない傾向の作品を見ることが出来て勉強になったと思っています。
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2009年07月20日

アート> 「白髪一雄展」 尼崎総合文化センター

阪神尼崎駅から徒歩5分くらいの所にある、尼崎総合文化センターで開催中の「白髪一雄展」を見てきました。 7/18〜9/6の開催です。

具体の作家さんの中でも、かなり有名な作家さんである白髪一雄さんの作品を、この作家さんの作品のシリーズ区分毎に分けて展示するという展覧会。 
具体美術協会に入る前の0の会の時の作品とかも展示されていて、この作家さんの全活動期間の作品を見られるという展示になっているようでした。


この方は私のとても好きな作家さんで、やはりこの方の代名詞である、足で描いた勢いと迫力を感じる抽象画面が好きで、今回も楽しみにしていました。

個人の好みとして、私はやはり画面内の構成要素が少ない作品が好きなので、今回見た抽象作品でも、色的にはあまりたくさんの色が存在していない画面が、また画面構成としては、ストロークが画面の端で止まっているものよりも、思い切って画面の端を抜けているような画面がやはり良いなぁと感じました。
色的には、パステル調に近い、きれい目の色が画面上で目立っている作品は、あまり良いとは思えず、どちらかというと、暗い目の色味のほうが私は好きでした。 色味的には濁っていても、むしろその方がぐいぐいと見る側に迫ってくる気がしました。


この方の作品をまとめてみたのは、兵庫近代美術館(まだ王子公園のとき)での展覧会以来であったように思います。 今回は、会場の制約もあったのでしょうか?あまり高さのある作品は展示されていなかったように思います。(過去もっと巨大な作品を見た記憶があるのですが・・・)
しかし今回は、この方の時期ごとの作品の感じの違いを見ることが出来たので、その点では非常に良かったです。
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2009年07月14日

アート> 「やなぎみわ 婆々娘々!」 国立国際美術館

地下鉄肥後橋駅から徒歩しばらくの所にある、国立国際美術館で開催中の「やなぎみわ 婆々娘々!」を見てきました。 この美術館のB2Fで開催中です。 6/20〜9/23の開催です。

この方は、技法としては写真の作家さんですが、既存の風景とか人物とかを切り取ってというのではなく、自分で人物、背景全部含めて作って(特殊メイク等々色々使っているそうです)それを写真にしているという作品なので、技法はともあれ、具象の作品という風に思っているほうが良いような気がします。

展示作品は、3つのシリーズが展示されているという構成でした、”マイ・グランドマザーズ”、”フェアリーテイル”、”ウィンドスウェプト・ウィメン・シリーズ”と名前がついていました。


私は個人的な好みとして、要素が余り多くない画面とかを好きになることが多いので、正直なところ、ポスターとかチラシの作品を見て、どうかなぁ?と思いながら会場を後にするような気がしていたのですが、実際も全体としてそういう感想でした。
別に否定するような気分では全く無く、展示とかもすごく凝っているなぁと思ったりしたのですが、なぜかあんまり気持ちが動くことも無く、すーーーっと会場を後にしてしまいました。

もしかしたら、画面の人物達が、非常に作り込まれているのがあまり好みではなかったのかなぁ?という気が今はしています。
登場人物は、老いた女性が結構多かったのですが、それが基本的にはどうもメイクで若い女性を老人にして撮っていると思われ、そこに変に違和感があったのかもしれません。
(余りにも作られすぎていると感じたのかもしれないです)

もう一つは、この方は、女性の作家さんで、女性を登場人物として作品を作られています。
私は不惑をとうに超えたおっさんなので、そういった女性の考え/思い みたいなものを全然理解したり共感したり出来なかったのかなぁ??とかも思ったりしています。


今回、”良かったです”という感想ではないのですが、ある時期は全然良くないと思っていた作品がある時から急に好きになるということが、過去何回かあるので、忘れないように備忘録として書いておいたほうが良いような気がしたので、書いてみました。
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2009年07月13日

アート> 「白というもの展」 R&Pギャラリー

阪急 夙川駅を出てすぐにある、R&Pギャラリーで開催中の「白というもの展」に行ってきました。 7/3〜7/14の開催です。

白が地の色になっている抽象作品を集めたグループ展。 なかなか好みの作品が展示されていて、いい感じでした。 
印象に残っている作品を書いてみますと、
外から見えるガラス張りのところに飾ってあった、丹敬子さんの作品、白地にぽつんと小さな四角いグレー。それにつながる傷の縫い跡のようにも見える感じの細い黒の線。
構成はこれだけなのですが、画面構成と線のたどたどしい感じが妙に気になる面白い画面でした。

川島紘一さんの作品、この方は白地にぽつんと1つか多くても3つくらい、やや横長の感じにごく短い線か点かというくらいの点が置いてあります。
いくつか作品が展示されていた中で、中くらいの作品で1点だけ緑の点が置いてあった作品が一番良い感じに見えました。 いつも拝見している作品は黒地なのですが白地でもいい感じです。

松谷武判さんの作品で、白地に黒の丸模様が描いてある作品。 この方は具体の作家さんで、基本真っ黒の画面しか過去見たことが無かったのですが、今回は、白地に黒模様、白地に白のビニールかな?と思える盛り上げの模様の作品など、初めて見る傾向の作品もありました。

この人も白の作品を作っているのか〜〜と過去知らなかった傾向の作品をいくつも見れてなかなか楽しませてもらえた展覧会でした。 こういうのも良いですね。。
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2009年07月12日

アート> 「ペインタリネス2009」 ギャラリー白

大阪梅田から歩いて少し、老松通り近く、西天満にあるギャラリー白で開催中の「ペインタリネス2009」を見てきました。 7/6〜7/18の開催です。

抽象平面の作家さん8人が参加してのグループ展、ギャラリー白の2つの展示空間(2Fギャラリー白,3Fギャラリー白3)を使用しての展覧会となっています。
2008年に続いて見せていただいた展覧会です。 冊子によると既に10回以上続いているグループ展だそうす。


出品されている作家さんを書いてみますと、石川祐敏、大城国夫、大杉剛司、佐藤有紀、堀内昇、真木智子、田中美和、渡邉野子さんという8人の作家さん。

印象に残った作品について書かせていただくと、まず2Fで最初に目に入った、大城国夫さんの作品。 初めて見る感じの画面で、色々な色の塗り重ねがあるのですが、一番表面に見えるのは、緑の地に大き目の赤の斑点状の模様が茫洋とした感じに描かれているといった画面。 赤の模様を描いているというとちょっと語弊があるような気がします、どちらかというと色々な色の塗りの中で地も模様も含めて結果的にこうなったという雰囲気の画面。
はっきりくっきり描き分けているのではなく、赤の上に緑が重なっているのも見えますし、更に緑の下に青が塗ってあったのも見えています。
全体の亡羊とした感じと、模様が浮いていて且つ微妙に横に流れがあるような感じがあったこと、色的には一番下の模様の辺りで青-緑-赤と3色が現われている辺りが良い感じでした。


もう一枚が、 石川祐敏さんの作品。基本的に、小さい点々の連なりで構成されていて、横ストライプ状の模様になっています。 くっきりとしたストライプ模様ではなくこれも茫洋としたところのある画面。 色的には黄色から黄緑で構成されています。 個人的にはもう一段階ぼんやりしていてくれたら更に好みと思えたのではないか?との印象でしたが、とてもいい画面でした。

去年は、ギャラリーまで行くのに、ひどく迷ったと書いてあったのですが、今年はちゃんと地図を見ながら行ったので、そんなに悩まずに行き着けました。 また来年も見てみたい展覧会です。

−−ここから反省です。。。−−
ここ数ヶ月、ほとんど記事を投稿していませんでした。 まあちょっとこの所、ドタバタしていたので、なんとなくサボってしまっていたのですが、駄目ですねぇ。。一旦”まあ今日もいいか・・”と思うようになってしまうと、逆になかなか再度書き出すきっかけが無いというか、、、、やっぱり人間楽なほうに倒れてしまうと元に戻りにくいものですね。
一応、また週に数ネタくらいを投稿するペースには戻したいと思っています。
どこまで守れるものやら?自信は例によってありませんが、まあ今の気持ちはそうであるというところです・・・。
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2009年05月25日

アート> 「マーク・ロスコ  瞑想する絵画」 川村記念美術館

千葉県の川村記念美術館で開催中の「マーク・ロスコ  瞑想する絵画」を見てきました。 2/21〜6/7の開催です。

この方は抽象の作家さんで・・・ などと書く必要は全く無いくらい、著名な抽象の作家さん。 元々私はマーク・ロスコさんの作品はとても好きだったのですが、これだけ大きな作品をまとめて見ることが出来たのは初めてで、あらためてそのすばらしさを実感したという感じで、非常にすばらしかったです。

特に、今回の展示の目玉とも言える、「シーグラム壁画」の展示は、、、
大きな空間に、巨大な画面の連作が並び、部屋全体がロスコの世界で満たされているという、何とも言葉では言いがたいくらいに良くて、”う〜ん”とか”おぉ〜”とか分けのわからないうなり声しか出てこないような状態でした。

この方の画面は、色的には、かなり色味の違う色を組み合わせて画面を作られていることも結構あるのですが、この「シーグラム壁画」の作品は、一枚を除いてはほぼ同系色で、少しの色味又は明度の違いで模様が構成されている画面。 しかし一枚一枚が巨大な画面なので、茫洋としていながら、何とも言いがたく迫ってくるものがあって、やはり圧倒されました。


こうして言葉で書くと、まあさらっとした文章になってしまうのですが、この「シーグラム壁画」のような作品+空間というものは、やはりその場に自分の身を置いてみないと、そのすばらしさは実感できないな〜と思います。 何でも大きければいいとは必ずしも言えないのは当然なのですが、この作品に関しては、大きいことのメリットを十分に生かすことが出来ている作品であると思います。
このときの感覚ばっかりは、いくら後で画集を見直しても感じられるものではないと思います。


この川村記念美術館というところは、東京駅からも結構行くのに時間がかかる、中々大阪に住む身としては、行くのにハードルが高いところなのですが、この展覧会はそんなことも吹き飛ばしてくれる非常にすばらしい展覧会でした。 足を運んで本当に良かった展覧会と思います。
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2009年05月05日

アート> 「鳥居宏展」 信濃橋画廊5

地下鉄 本町駅近くにある、信濃橋画廊5で開催中(5/4〜5/16)の「鳥居宏展」を見てきました。 信濃橋画廊の5階にある2つの内、大きいほうの展示室での開催。

この方の作風は抽象平面。 絵の具をキャンパス上に勢いよく吹き付けて、そのたたきつけられた絵の具の勢いの結果生じる絵の具の飛沫の跡、絵の具のたれ、それらが相まって、要素的には少ないながら、画面全体から勢いとか流れを感じるとてもいい画面。

今回の展示作品は、背景が全て青で統一されていました。 割とフラットに塗られている作品もあれば、透明度高めの深い青を塗って、その塗り跡とか薄く塗ったときに下に多少流れているのが判る塗り方にしてあるとかあって、その辺りが始めて見る要素になっていました。

個人的に良かったと感じたのは、全体としては、部屋に入って向かって左側の壁面に展示してあった100号くらいの横の作品。 バックは深い青で、模様の具合とあいまって、非常に幽玄で、茫洋とした大きさを感じる作品でした。 吹き付けの模様の面白さという点では、その作品の横に展示してあった小品が面白い感じでした。

前の展覧会の時も印象に残っていたのですがこの方の展示は、非常に空間を考えて、作品を絞って、空間全体がうるさくならないように上手く展示されているなぁと感じました。
今回も100号サイズが3枚展示されていたのですが、展示数としてはそれ+2枚くらいで、展示されている所、しない所のメリハリが上手くつけられていました。
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2009年04月20日

アート> 「岡アゆみこ展」 ギャラリー猫亀屋

南海電車 みさき公園駅から歩いて15分ほど、海に近い辺りに位置している、ギャラリー猫亀屋で4/16〜4/23まで開催中の「岡アゆみこ展」を見てきました。

この方の作品は、抽象平面。 油彩で、まず地の色を塗っておいて、乾いてからもう一色を重ねて、そこを引っかいて線を引いて模様を描くというもの、引っかいたところは下の地の色が見えて、それで線がより判るという作風。 色的には、白地に黒か、逆に黒字に白というモノトーン。 一枚、グレーの作品がありました。 

引っかきは、ぐるぐると渦巻く感じの曲線が、小さな作品では少なく、大きい作品ではたくさん、その引っかきの線の太さや画面の中の配置等で印象は色々でしたが、引っかきに流れ、勢いが感じられて、動きと迫力があり非常に良かったです。
(今回は、太目の引っかきの作品が多く展示されていました。)


私が今回の作品で良かったと感じたのは、太目の線の引っかきで構成された白の作品。どちらかというと引っかきで出てきた下地と、上の色とのコントラストがはっきりしているものよりもやや穏やかになっている作品のほうが個人的には好きでした。

また、このギャラリーに行くのに、本当に久しぶりに南海電車に乗りました。 みさき公園という駅に降りたのも初めてのような気がします。(みさき公園という名前自体は知っていたのですけど) こういうあまり行かない所にいけたという意味でもなかなか良かったです。
posted by 大阪下町オヤジ at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | アートなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月19日

アート> 「浅利美織展」 信濃橋画廊5、

地下鉄 本町駅近くにある、信濃橋画廊5、で開催中(4/13〜4/25)の「浅利美織展」を見てきました。 信濃橋画廊の5階にある2つの内、小さいほうの展示室での開催。

この方の作風は、ビニールで大きな円筒状であったり、色々その会場にマッチした形の風船のような形状の物を作って、そこにフィンで空気を送り込んで膨らませて、その状態で展示空間に置くという、オブジェとも、インスタレーションとも言える感じの作品。 今回も展示空間非常にマッチしていて、とてもいい空間が作り出されていました。

この5、の展示室は、小さいコンクリート壁の展示室なのですが、その空間の奥から手前まで大きな透明ビニールの四角状の風船が占めていました。 その風船は、ちょうど真ん中に細いワイヤーがひもで縛るようにかかっていて、少しくい込んでいて、へこんでいます。
風船全体は、奥が高く(170cmくらい・・),手前が低い(足元くらい・・)その斜めの角度もいい感じで、展示室を構成している展示物の要素は、非常に少なくて、シンプル極まりない構成といえるのですが、その配置や構成が展示空間に実にいい感じに収まっていて、
今回もとても良かったです。


ただそこにある、それですごくいいという、本当にいい感じでした。 いつもながらですが、足を運んでよかった展覧会。 又次の機会があれば出来るだけ足を運びたいです。
posted by 大阪下町オヤジ at 03:08| Comment(0) | TrackBack(0) | アートなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月15日

アート> 「松田彰、」 信濃橋画廊

この記事ももう終わってしまった展覧会の情報になります。 しかし記事を書かなかった1ヶ月弱の期間の中で見た作品で、一番印象に残っているものなので、書いておきたいと思います。
地下鉄 本町駅近くにある、信濃橋画廊で3/30〜4/11まで開催していた「松田彰 「言葉のように」」を見てきました。 信濃橋画廊の地下の一番大きい展示室です。

この方の作品は、つやのある表面の木の板の上に四角に切ったり、不定形に切ったりした紙を貼り付けて、その紙を鉛筆で黒く塗りつぶして、塗り残しの形でシャープな白い線が残っていたり、飛沫のように白い点が残っていたりという感じの画面。
鉛筆で執拗に塗りつぶされている部分の感じが面白く、筆圧のせいでしょうか?ちょっと凹凸があるようにも感じられて、とてもいい黒でした。
※鉛筆というお話であったのですが、ちょっと光の反射具合と、黒の筆致のかすれ具合などから、むしろチャコールペンシルか細身のパステルの黒のような(又は木炭か??)のような印象を最初は受けた表面の具合でした。


一番いいなぁと感じたのは、ほぼ全面に紙が貼られていて、下の木の板がほとんど見えないほど黒一色の作品。 特に、ちょっと上の部分にT字型みたいな感じに黒のはみだしがあった作品が構成的にとても面白く思えて一番印象に残っています。(奥の壁面に3枚続きで展示されていた作品)

この方の作品のもう一つの魅力は、その塗りつぶしという、いかにも手の作業が感じられる要素と、その中に、電動ののこぎりで、切込みを入れたようなシャープな直線が切れ込みとして存在していて、その対比がとても良かったです。 画面がとても緊張感のある引き締まったものになっているように私には思えました。 絵の具で線を引くということではなく物理的に下の板まで切れ込みを入れているということでより一層そう思えるような気がします。

これも要素が少なくてかつとてもいいという、個人的に好みの作風でした。 又見てみたい作品でした。
posted by 大阪下町オヤジ at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | アートなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月10日

アート> 「椿ア和生作品展 淀河冬春」 アートスペース海月文庫

地下鉄 西中島南方駅から歩いて7〜8分。 アートスペース海月文庫で開催(3/4〜3/9)の「椿ア和生作品展 淀河冬春」を見てきました。

ほぼ抽象に近いくらいシンプルに川の水面と岸の線が作られていたり、淀川の堤防とその外側の下町の町並みが描かれていたり、冬の鴨が描かれていたり、、、といった感じで、淀川河畔の風景、情景を様々な素材、表現で描いた作品が展示されていた展覧会。

真四角でない木の板や、いかにも長い間外にさらされてきた色の木片で構成されている画面などがあったため、淀川の河原とかで見つけたもので制作されたのかな?と最初思ったのですが、そういうわけではないそうです。 しかし、なんとなく古い素材を用いて作られた作品が多く、そこが、素朴であったり、落ち着き、ほっとするような感じを与えてくれる、暖かい雰囲気の空間を醸し出していました。

木目を上手く生かした作品も多く、また、この方の版画作品も展示されていたのですが、それを見たせいでしょうか? なんとなく作品の雰囲気として版木のような感じを受けるものが多いような気がしました。 個人的にはそこが何ともいい味に感じられてとても良かったです。

この展覧会は、日曜日に見に行ったのですが、気温は結構暖かくて、途中の道の雑草がもうぐんぐん伸び始めていて、花がほころびそうになっている蕾があり,木の枝にも明らかに緑の芽吹きを感じさせる芽が出始めているのに気づいたりと、私があたふたと日を過ごしている間に、もう今年も3月に入っているのだと、改めて思い、いつもながらこういったことに迂闊な自分にちょっとあせりを覚えた日でした。 もう少し、こういった季節のさきがけと言ったものに敏感でいたいと、このところ思うのですが、日々の事に取り紛れていつも後手を踏んでしまっています。 ”反省!・・・・”ですね・・・・。
posted by 大阪下町オヤジ at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | アートなこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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